健康な髪の毛を作り出すには、栄養バランスの整った食生活が大切だと言われています。
私たちの髪の毛は、食事から摂った栄養素を原料として生み出されているからです。
とくに薄毛に悩んでいる人が積極的に摂りたいのが、「タンパク質」。
なぜ薄毛の改善には、タンパク質が必要なのでしょうか?
今回は薄毛改善にタンパク質が必要な理由や1日に必要なタンパク質摂取量、薄毛に良いタンパク質とその他の栄養など、薄毛とたんぱく質の関係について詳しく解説いたします。
タンパク質が不足すると薄毛になる?
髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質の一種で、18種類のアミノ酸から成り立っています。
肉や魚に含まれるタンパク質はそのままでは吸収できないため、さまざまな種類のアミノ酸に分解されます。
ケラチンは、これらのアミノ酸のうち18種類を合成して作られています。
アミノ酸の中には、体内で合成できない「必須アミノ酸」が9種類あり、それらは食事によって摂取しなければなりません。
ケラチンを構成するアミノ酸の中にも必須アミノ酸が含まれており、食べ物から補給する必要があります。
しかし、栄養バランスが偏った食事や無理なダイエットをすると、必要なタンパク質の量に満たなかったり、必須アミノ酸が足りなかったりということが出てきます。
すると、ケラチンの合成がうまくいかず、髪の毛の生育に支障をきたして、薄毛に結びついてしまうのです。
1日に必要なタンパク質の摂取量はどれくらい?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、タンパク質の食事摂取基準量は次のようになっています。
●成人男性
推定平均必要量が50g/日、推奨量が60~65g/日
●成人女性
推定平均必要量が40g/日、推奨量が50g/日
主な食品に含まれているタンパク質の量も、ご紹介しますね。
・豚肉赤身100gで約20~23g
・皮なし鶏肉100gで19~23g
・牛肉赤身100gで約19~21g
・卵100gで12g
・納豆100gで16g
・豆腐100gで7g
・鮭100gで22g
・カツオ100gで25~26g
・まぐろ100gで26g
・プロセスチーズ100gで23g
一つの食品で必要量を摂ろうとするよりも、3食さまざまな食品を組み合わせて摂取する方が、その他の栄養素も摂れてバランスが整いやすいのでおススメです。
たとえば、朝食に納豆、昼食に鶏肉、夕食にお刺身など。
薄毛のときに摂った方が良いタンパク質
タンパク質の多い食品には肉・魚・卵・乳製品などがありますが、薄毛のときに積極的に摂りたいのが大豆や大豆製品です。
大豆や大豆製品には、「イソフラボン」が含まれており、腸内細菌によって「エクオール」という成分に変換されます。
このエクオールは女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをし、薄毛にも次のような効果が期待できます。
1.成長期を維持する
髪が生えてから抜けるまでのヘアサイクルのうち、「成長期」は髪が太く長く成長する大切な時期です。
薄毛の人はこのヘアサイクルが乱れ、成長期が短縮されていることが多いのです。
エクオールには成長期を長く維持し、髪の毛の成長を促進する作用があります。
この作用により、髪が太く長く丈夫に成長できるようになります。
2.頭皮環境や髪質を改善
エクオールにはコラーゲンの生成を促進する働きがあり、頭皮の弾力や潤い、髪の毛のハリ・コシ・ツヤを保ちます。
頭皮環境を整えることで、薄毛改善にもよい影響を与えます。
3.5αリダクターゼを抑制
男性薄毛のAGAは、男性ホルモンのテストステロンが「5αリダクターゼ」と結びついてできる「DHT」が原因と言われています。
エクオールには5αリダクターゼを抑制する働きがあり、AGAの予防や改善効果も期待できます。
ただし、誰でも体内でエクオールが作れるわけではなく、作れる人は50%ほどと言われています。
エクオールが作れるかどうかは、検査キットで調べることが可能なので、作れないとわかった場合はサプリメントで摂取することをおススメします。
薄毛対策でタンパク質以外の必要な栄養素
薄毛対策にタンパク質が重要であるのはもちろんですが、他にも必要な栄養素があります。
■亜鉛
亜鉛はミネラルの一種で、ケラチンの合成をサポートする働きがあります。
亜鉛が不足しているとケラチンがうまく合成できなくなるため、髪の生成や成長が阻害されてしまいます。
亜鉛が多く含まれている食品は牡蠣、タラバガニ、うなぎ、肉類など。
■ビタミンB6
ビタミンB6には、亜鉛の働きをサポートする作用があり、ケラチンを作るために必要な栄養素の一つです。
ビタミンB6が含まれている食品はレバー、海苔、マグロ、カツオなど。
■ビタミンC
ビタミンCには肌のハリや弾力を保つ働きがあり、頭皮を健やかに整えてくれます。
ビタミンCが多く含まれている食品は柿、オレンジ、ブロッコリー、赤ピーマンなど。
■ビタミンE
ビタミンEには血行促進作用や、アンチエイジング作用があり、頭皮の血行改善や毛母細胞の活性化をサポートします。
ビタミンEを多く含む食品はアーモンド、ピーナツ、ひまわり油、小麦胚芽油、ほうれん草など。
まとめ
薄毛対策をするには、髪の主成分「ケラチン」の元となる「タンパク質」が必要です。
タンパク質には体内で作れない「必須アミノ酸」が含まれており、食べ物から摂取する必要があります。
タンパク質を含むさまざまな食品の中でも、薄毛の改善には大豆や大豆製品が特におススメ!
イソフラボンが腸内細菌によって変換される「エクオール」が、薄毛には効果的です。
その他にも、亜鉛やビタミンB6など必要な栄養素があり、本気で薄毛を改善しようと思うなら、栄養バランスのとれた食事を心がけるようにしてくださいね。