まだ若いから薄毛なんて関係ないと思っていたのに、「髪が薄くなってきた!?」と気づいたときには少なからずショックを受けてしまいますよね。
他に頭皮のかゆみやフケの増加などの症状がなく、額の生え際や頭頂部が薄くなっているなら、男性に最も多い脱毛症「AGA」の可能性があります。
「AGAって年齢が若い人でも発症するの?」
もしかしたら、そんな疑問をお持ちの方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、年齢別のAGA発症率や若くてもAGAにかかるのかなど、AGAの発症年齢について解説いたします。
若いからって薄毛を気にせず油断していませんか?
薄毛は中高年の悩みと思われている方も多いかもしれませんが、実はそうとも限りません。
割合こそ少ないものの、10代や20代などまだ若い年齢でも薄毛になるケースもあるのです。
しかし、まだ薄くなり始めの初期の段階だと、「何となく薄くなってきたかな…?」と感じても、まだ若いし、そんなことはないだろうと軽く考えて、放置してしまうことも多いのです。
そのせいで脱毛がさらに進行し、薄毛が目立ってきてから慌ててしまうことも…。
AGAなどの男性の薄毛は、中高年だけに発症するわけではなく、年齢が若くてもかかる可能性があるということを知っておきましょう。
薄毛の兆候があらわれたら、油断せずに早めに対処することが大切です。
年齢別のAGA発症率
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、AGAの発症頻度について次のように記載されています。
「日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約30%と報告されている。この発症頻度は現在もほぼ同程度であり、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢とともに高くなる。」
参考:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
これを見ると、AGAの発症率は男性の3人に1人くらいの割合です。
年齢が上がるにつれてAGAの発症頻度も高くなり、40~50代になるとさらに発症率が上がっています。
また、20代の発症頻度は10%と他の年代よりは低めですが、発症の可能性があることもお分かりいただけるでしょう。
若いからといってAGAにかからないわけではないのです。
なぜ若くてもAGAにかかるのか?
AGAになるメカニズムを解説いたしましょう。
男性にはテストステロンという男性ホルモンが分泌しており、それが「5αリダクターゼ」と結びつくと「DHT」という強力な男性ホルモンができます。
このDHTが男性ホルモンレセプターと結合すると、脱毛指令が出され、ヘアサイクルの成長期が短縮し退行期へと移行するため、脱毛してしまうのです。
AGAには遺伝の影響も大きく、5αリダクターゼの量や男性ホルモンレセプターの感度が受け継がれます。
このような遺伝的要素のある人はDHTが作られやすく、AGAになりやすい体質であると言えます。
男性の場合、母方の祖父が薄毛だと遺伝の可能性が高くなるので、心当たりのある人は注意しましょう。
それ以外でも、食生活や生活習慣、ストレスなどもAGAの一因となっています。
外食やインスタント食品、コンビニ弁当などが多いと栄養不足になり、髪が痩せて抜けやすくなり、新しい髪も生えにくくなります。
また、運動不足やストレスから来る自律神経の乱れは血行不良を引き起こし、血液による栄養や酸素の運搬が滞ってしまうため、髪の生育に支障をきたします。
若くても遺伝や生活習慣の乱れ、過度のストレスなどの原因があれば、AGAを発症する可能性が高くなるということを覚えておきましょう。
「若いから大丈夫」と油断せずに、若いうちからAGAの予防に努めることが大切です。
AGAと疑われる場合には年齢が若くても早めの対処を
AGAは進行性の脱毛症なので、放置しておくと進行してしまう恐れがあります。
AGAではないかと疑われるときは、早めに適切な対処をする必要があります。
次のような症状が見られるときは、AGAの可能性があります。
・前頭部から薄くなるタイプで、額が後退していく。
・額に剃り込みが入ったように、「M字型」に薄くなっていく。
・頭頂部が薄くなっていく。
前頭部だけ、頭頂部だけとはっきり分かれているわけではなく、同時に進行していくタイプもあります。
また、最初は前頭部から薄くなり始め、進行するにしたがって頭頂部も徐々に薄くなっていくというように、薄毛の範囲が広がっていき、やがては境目がなくなり前頭部から頭頂部にかけて髪がすべて抜けてしまうケースも見られます。
AGAは若い人ほど、また初期のうちほど改善しやすいので、「AGAかも…?」と思ったら、すぐに対策を始めるようにしましょう。
具体的には、食生活や睡眠、運動などの生活習慣の改善、ストレス解消、頭皮マッサージなどを心がけてみてください。
また、AGAの進行度合いや最も適切な対策を知るためにも、早めに専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
男性薄毛の代表格であるAGAは、年齢が上がると発症率も高くなります。
しかし、20代の発症頻度が10%となっており、若くてもAGAにかかる可能性があるため注意する必要があります。
AGAはDHTという男性ホルモンが脱毛指令を出すことが原因となっていますが、遺伝や生活習慣、ストレスなどの影響も大きいのです。
若いから大丈夫と安心せずにAGAの予防に努め、万が一AGAにかかった場合は早めに対策を講じることが大切です。
生活習慣の改善やストレス解消を心がけ、専門家に相談するなどしてAGAの進行を抑えるようにしましょう。