「分け目が広くなってきたみたい…」
「上からライトがあたると地肌が透けて見える…」
女性を悩ませるその薄毛、もしかしたら「びまん性脱毛症」かもしれません。
びまん性脱毛症とは、女性に多く見られる薄毛の症状のことです。
薄毛が気になる女性なら、びまん性脱毛症がどのようなものなのか、きちんと知っておきたいもの。
そこで今回は、びまん性脱毛症の症状や原因、対処法から予防法まで詳しく解説いたします。
女性に多いびまん性脱毛症の症状について
びまん性脱毛症というのは、円形脱毛症のような病名ではなく、女性に多い薄毛の症状のことを言います。
びまん性脱毛症の「びまん」という言葉の意味は、「広くはびこること」。
頭髪が全体的に薄くなる症状をびまん性脱毛症というのです。
男性薄毛の9割を占める「AGA」は、前頭部と頭頂部が局所的に薄くなるため、自分でも「額が後退してきた」、「頭頂部が薄くなってきた」など、比較的自覚しやすいと言えます。
それに対してびまん性脱毛症は、頭全体が少しずつ薄くなっていくため気づきにくいのです。
びまん性脱毛症の主な症状をご紹介します。
・髪のボリュームが低下し、ペタンとする
・分け目が広がり目立ってくる
・頭頂部のあたりの地肌が透けてくる
・つむじが目立ってくる
びまん性脱毛症は30代後半から増え、40~50代になるとさらに増加します。
しかし、20代でびまん性脱毛症になる女性もいるので、若いからといって油断するのは危険です。
びまん性脱毛症にならないよう、若いうちからしっかりケアして予防しましょう。
女性がびまん性脱毛症になってしまう原因は?
女性に多いびまん性脱毛症には、さまざまな原因があり、それらが複数絡み合っているケースが多く見られます。
どのような原因があるのか、見ていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンの「エストロゲン」には、髪の生育を促進し、頭皮の柔軟性やコシ・艶のある髪を保つ働きがあります。
加齢や無理なダイエット、ストレスなどによって女性ホルモンの分泌量が減少すると、ホルモンバランスの乱れから髪や頭皮にトラブルが生じます。
髪が細くなってコシがなくなり、抜け毛が増え、びまん性脱毛症へと進行していくのです。
食生活の乱れ
偏った食事や無理なダイエットを続けていると栄養不足に陥り、髪の生育に支障をきたすようになります。
髪の毛は食べ物の栄養を原料として作られているので、栄養バランスの整った食事を摂ることは必要不可欠です。
生活習慣の乱れ
睡眠不足・睡眠の質の低下・運動不足・喫煙・過度の飲酒などの生活習慣の乱れは、薄毛を引き起こす大きな原因のひとつです。
ストレス
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、体が緊張した状態が続くようになります。
すると血管が収縮し血流が悪くなり、髪の生育に必要な栄養と酸素の運搬が滞ってしまうのです。
栄養や酸素が不足すると、髪を作ったり成長させたりすることができません。
そのため、びまん性脱毛症になる可能性も高くなります。
加齢
加齢による女性ホルモンの減少や新陳代謝の衰えなども、髪の生育に大きな影響を及ぼしています。
実際にびまん性脱毛症になる女性が多くなるのも、40代以降です。
ヘアケアの影響
合成シャンプーの使用、間違ったシャンプー法、頻繁なパーマ・カラー・ブリーチなど、誤ったヘアケアの影響で頭皮環境が悪化し、びまん性脱毛症につながることも。
女性がびまん性脱毛症になった場合の対処法は?
では、びまん性脱毛症になった場合は、どのように対処すればよいのでしょうか?
以下の3つのポイントに注意して、びまん性脱毛症に対処しましょう。
1.早めの対処を心がける
びまん性脱毛症をはじめとする薄毛全般に言えることですが、放置すると進行する恐れがあるため、気づいたらできるだけ早く対策を行うことが重要です。
何もしなくても自然に薄毛が治るということはないので、きちんと対策やケアを行いましょう。
2.自分でできる対策を始める
まずは、自分でできる対策やセルフケアに取り組みましょう。
・栄養バランスのよい食事を摂る
・質の良い睡眠をとる
・適度な運動によって血行促進を目指す
・飲酒は適量にとどめる
・禁煙する
・アミノ酸シャンプーに変え、正しい方法で髪を洗う
・バスタイムの頭皮マッサージを習慣化する
3.専門家に相談する
「びまん性脱毛症かな?」と思ったら、早めに専門家に相談してみることをおすすめします。
専門家に見てもらうことで、びまん性脱毛症の正確な進行状況や原因がわかり、必要な対策・ケアのアドバイスがもらえます。
びまん性脱毛症の相談は、病院の皮膚科や薄毛専門クリニック、薄毛専門院などでできるので、早く改善したいときは一度相談してみるとよいでしょう。
びまん性脱毛症は予防することができる?
びまん性脱毛症は、適切なケアをすれば予防することも可能です。
そのためには、原因を取り除くことが基本となります。
食生活
タンパク質・亜鉛・ビタミンB6は、髪を作るために欠かせない栄養素です。
これらを中心として他の栄養素も満遍なくとれるように、栄養バランスに気を配りましょう。
また、女性には、エストロゲンと似た働きをするイソフラボンもおススメ!
大豆や納豆、豆乳、豆腐などの大豆製品を積極的に摂るとよいですよ。
生活習慣
・成長ホルモンが十分に分泌されるように、最低でも4時間以上、できれば6時間は続けて熟睡する
・ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れる
・飲酒は適量を守る
・禁煙する
ストレス解消
ストレスを溜めないように、自分に合ったストレス解消法をみつけておくとよいですよ。
運動やスポーツなら、血行促進効果も期待できて一石二鳥です。
ヘアケア
合成シャンプーの使用をやめ、アミノ酸シャンプーに変えましょう。
シャンプー後は、頭皮の蒸れや雑菌の繁殖を防ぐために、ドライヤーできちんと髪を乾かしてから寝るようにしてくださいね。
育毛剤
育毛剤には頭皮環境を整え、髪の成長促進や抜け毛予防の効果があります。
毎日のヘアケアに、女性用の育毛剤を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。
頭皮マッサージ
頭皮の血行を促進し、柔軟性を保つためには、頭皮マッサージが効果的です。
シャンプー前や、育毛剤を塗布した後などに、頭皮を動かすように優しくマッサージをしてみましょう。
まとめ
「びまん性脱毛症」は女性に多く見られる薄毛の症状のことで、頭髪が全体的に薄くなっていくのが特徴です。
ホルモンバランスの乱れや、ストレス、加齢、生活習慣の乱れなどが主な原因となっています。
びまん性脱毛症は適切なケアや対策によって予防するのが一番ですが、なってしまった場合は、できるだけ早めに対処するようにしましょう。
また、びまん性脱毛症をできるだけ早く改善するためには、専門家に相談することをおすすめします。