春先や秋口など季節の変わり目に、抜け毛が増えたと感じる人も少なくないはず。
よく、季節の変わり目は体調を崩しやすいとか、風邪をひきやすいと言いますよね。
同じように髪の毛もこの時期になると、抜け毛が増えたり、髪がパサついたり、頭皮が乾燥したりといったトラブルが生じやすくなります。
今回は、季節の変わり目に抜け毛が増える理由と、抜け毛が季節性のものかどうかのチェックポイントについてご紹介します。
一般的に季節の変わり目は抜け毛が増えると言われている
抜け毛が増える原因のひとつに、「季節の変わり目」があります。
「あれ?抜け毛が多くなった気がする…」
こんなふうに感じるのは、たいてい春先か秋口といった季節の変わり目が多いのではないでしょうか。
季節の変わり目に、体にさまざまな変化があらわれやすいのは、気温差による影響が大きいと言われています。
この時期は、日中暖かくなってきたかと思えば夜には冷え込んだり、日によって気温差が激しかったりしますよね。
この時期に抜け毛が増えたときは、季節の変わり目の気温差が影響している可能性があります。
なぜ、季節の変わり目に抜け毛が増えるのか、以下でその理由を解説いたします。
なぜ季節の変わり目は抜け毛が増えるのか?
季節の変わり目に抜け毛が増える理由は、大きく分けて3つあります。
1.自律神経の乱れ
季節の変わり目は昼夜の気温差が大きく、また天気によっても気温差があるため、自律神経が乱れがちになります。
また、春は環境が大きく変わることが多いため、ストレスによって自律神経が乱れてしまうこともあります。
季節の変わり目に体調を崩しやすいのも、これが原因です。
自律神経の乱れは血行不良を引きおこし、血液による栄養や酸素の運搬がスムーズにいかなくなるので、髪の生育にも影響が及ぶようになります。
そのため髪が細くなってボリュームが減ったり、抜け毛が増えたりするのです。
2.夏のダメージの蓄積
夏の強い紫外線を浴びた髪や頭皮は、大きなダメージを受けています。
紫外線によるダメージとは、頭皮の乾燥や柔軟性・ハリの低下、日焼けによる頭皮の肌荒れ、髪のパサつきなどのこと。
また、紫外線によって体内で発生した活性酸素の除去に、ビタミンCやEが大量に消費されるため、頭皮に必要なビタミンが不足して頭皮環境が悪化します。
さらに、暑さによる食欲不振や胃腸の不調から栄養が不足し、抜け毛につながることもあります。
季節の変わり目と言われる秋口は、このような夏のダメージの蓄積が、抜け毛の増加といった形で表に出やすい時期なのです。
3.花粉
春や秋は、花粉が多く飛散する花粉症の時期でもありますよね。
花粉によるアレルギー反応は鼻水やくしゃみだけでなく、頭皮に生じてかゆみや湿疹に悩まされることがあります。
とくに頭皮が乾燥していると、ちょっとした刺激で炎症を起こしたり、かゆみが生じたりしやすいので注意する必要があります。
抜け毛の増加のほかに、頭皮のかゆみやフケ、湿疹などがある場合は早めに皮膚科で診てもらいましょう。
このような季節の変わり目の抜け毛は、ある程度予防することができます。
毎年、季節の変わり目に抜け毛が増えやすい場合は、しっかり予防に努めましょう。
・外出時は帽子やUVスプレーで紫外線をカットする
・花粉が飛ぶ時期は帽子でカバーし、帰宅後早めにシャンプーをする
・ストレスを感じたときは上手に解消してためないように気をつける
・食事で必要な栄養が摂取できないときは、サプリで補うのもあり
・食事や睡眠、運動、飲酒・喫煙など生活習慣を改善する
・頭皮マッサージや育毛剤、スカルプケアを取り入れる
季節によるただの抜け毛なのか?それとも脱毛症なのか?
抜け毛が気になるときは、季節の変わり目による抜け毛なのか、それとも何らかの脱毛症で抜けているのかを把握する必要があります。
季節の変わり目から来る抜け毛であれば、生活習慣の見直しや、頭皮マッサージ・スカルプケア・正しいシャンプー法などのセルフケアで改善することも可能です。
しかし、脱毛症から来る抜け毛の場合は、もう少し注意が必要です。
AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性男性型脱毛症)
この2つは進行性の脱毛症なので、早めに対策を始めることが大切。
AGAは男性薄毛の中で最も多く、前頭部と頭頂部の髪が脱毛するのが特徴。
額が後退している、額の生え際に剃り込みが入ったように薄くなる、頭頂部が薄くなるなどの症状がみられるときは、AGAの可能性があります。
FAGAは女性の脱毛症で、頭髪が全体的に薄くなっていくのが特徴です。
分け目が広くなってきた、つむじが目立つ、頭頂部の地肌が透けて見えるといった症状が見られます。
円形脱毛症
円形脱毛症は丸く脱毛する脱毛症で、自己免疫疾患のひとつと考えられています。
円形脱毛症の特徴は、「急激に抜け毛が増える」、「境目のはっきりした丸い脱毛斑ができる」こと。
症状が軽い場合は自然治癒することもありますが、頭髪が全部抜けたり、体毛まで抜けたりと重症化する恐れもあるので、早めに皮膚科医に相談しましょう。
脂漏性脱毛症・粃糠性脱毛症
どちらも皮膚疾患による脱毛症です。
脂漏性脱毛症は、頭皮が赤くかゆみがある、異常にフケが多い、頭皮がべたつくなどの症状が現れます。
粃糠性皮膚炎は、細かいフケが大量に出る、頭皮が赤くなる、かゆみなどの特徴があります。
抜け毛以外にこのような症状がある場合は、皮膚科での治療が必要です。
早めに診察を受けましょう。
季節の変わり目と言えども抜け毛が多すぎる場合は専門家まで
平均的な1日の抜け毛の量は、50~100本と言われています。
これくらいの量であれば、髪の生え変わりによる正常な抜け毛なので心配いりません。
問題は、抜け毛の量がこれ以上多い場合です。
本数を数えなくても、シャンプー後に排水口に髪の毛がどっさりたまっていたり、枕にたくさん髪が落ちていたり、明らかに抜け毛が多いときは抜け毛や頭皮をよく見てみましょう。
抜け毛が細い、毛根がとがっている、毛根がない、髪の根元が黒い、地肌がくっきり見える部分がある、髪が薄い、頭皮が赤い、湿疹ができているなどの症状があったら要注意!
脱毛症の可能性もあるので、放置してはいけません。
脱毛症による抜け毛なのかどうかを知り、それ以上進行しないように抑えるためにも、一度専門家に相談することをおすすめします。
抜け毛の相談ができるところは、皮膚科や薄毛専門クリニック、薄毛専門院などがあります。
初期のうちに対策を始めた方が抜け毛も改善しやすいので、早めに専門家にみてもらうとよいですよ。
まとめ
季節の変わり目は、抜け毛が増えやすいと言われています。
夏の紫外線や夏バテによるダメージの蓄積、自律神経の乱れから来る頭皮の血行不良、花粉による頭皮環境の悪化などが原因です。
ただし、抜け毛がひどいときは脱毛症の可能性もあるので、専門家に相談することをおすすめします。
日頃から紫外線対策やストレス解消、頭皮マッサージやスカルプケアなどを行い、季節の変わり目による抜け毛を予防しましょう。