シャンプー後の排水口や枕に落ちた抜け毛を見て、「抜け毛が増えた…」と感じていませんか?
抜け毛が気になるときは、根元がどんな状態になっているかを確認してみましょう。
抜け毛の根元を見れば、髪の毛の健康状態がわかります。
根元の状態によっては、薄毛に進行してしまう可能性も…。
今回は、抜け毛のチェック方法から、正常な抜け毛と危険な抜け毛の根元の違い、今すぐできる抜け毛対策など、抜け毛の根元について解説いたします。
抜け毛の根元はどうなっているかまずは確認
髪の毛のうち頭皮から下の部分を、「毛根」と言います。
毛根は髪の毛をつくるための重要な場所。
どのように髪の毛が作り出されているのか、その仕組みを解説しましょう。
毛根の一番奥の部分が「毛乳頭」で、毛細血管から栄養と酸素を受け取り、「毛母細胞」へ送ります。
毛母細胞は受け取った栄養と酸素を使って分裂を繰り返し、髪の毛をつくり出しています。
そのため、抜け毛の根元の状態を確認すると、栄養や酸素が行きわたって十分に成長した髪なのか、それとも何らかの異常があって抜けてしまった髪なのかがわかるのです。
また、髪の毛は「成長期(3~5年)」→「退行期(2~3週間)」→「休止期(数ヶ月)」という「ヘアサイクル」を繰り返しています。
成長期にしっかり成長し切った髪は、退行期で毛球が少し小さくなり、休止期で新しい髪に押し出されるようにして抜けるのです。
しかし、何らかの原因でヘアサイクルが乱れると、成長期が短くなってしまい、髪が十分に成長できないまま抜けてしまうようになります。
一連のヘアサイクルを経て自然に抜けた髪と、脱毛症などによってヘアサイクルが乱れて抜けた髪では、明らかに髪の根元や全体の状態も違っています。
抜け毛の根元を確認することで、自然な抜け毛か異常な抜け毛かがわかるわけです。
もし異常が見つかれば早めに対処することも可能なので、少しでも抜け毛が気になるときは、根元を確認してみることをおすすめします。
抜け毛の根元に毛根がない場合は?
正常な抜け毛は、根元の毛根の部分がふくらんで丸みを帯びた形をしています。
抜け毛の根元が全くふくらんでいない、丸みを帯びていない、真っすぐな場合は、毛根がない状態です。
抜け毛に毛根がないのは、毛根が十分に発達しておらず、髪が太く長く成長する前に、抜けてしまっているということです。
いくつか考えられる理由のひとつに、「ヘアサイクルの乱れ」があげられます。
ストレスやホルモンバランスの乱れなどによって、ヘアサイクルの成長期が短縮してしまい、髪が十分に成長できなくなるのです。
そのため毛根が十分に発達せず、細くて短い髪が多くなります。
また、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の場合も、ヘアサイクルの乱れを引きおこし、全体的に細く毛根がない、もしくは毛根の細い抜け毛が増えます。
これらの脱毛症は進行性なので、放置せずに早めに専門家に相談しましょう。
注意しなければならないのが、根元がとがった抜け毛です。
毛根がなく、根元が先細りになった抜け毛は、円形脱毛症の可能性があります。
円形脱毛症は自己免疫疾患のひとつであるとされており、リンパ球が正常な毛根を攻撃し、破壊してしまうことが原因です。
円形脱毛症の場合は、抜け毛が急激に増える、境目のクッキリした脱毛箇所ができるなどの特徴もあるので、心当たりがあるときは早急に皮膚科医に相談することをおすすめします。
抜け毛の根元が白い場合は?
抜け毛の根元が白っぽい場合は、自然な抜け毛と考えてよいでしょう。
もともと髪の毛は白く、生えてくるときにメラニン色素の供給を受けて黒くなるのです。
通常のヘアサイクルを経て髪が抜けるときは休止期に入っており、メラニン色素の供給がなくなるので根元が白くなります。
ただし、根元にベタっとした白い塊がついている場合は要注意。
それは、毛穴に詰まった皮脂が抜け毛の根元にくっついてきたものです。
皮脂が過剰分泌すると毛穴が詰まって髪の成長を妨げるため、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりするようになります。
洗浄力の強すぎるシャンプーの使用や食事の影響、ホルモンバランスの乱れなどが原因となっているので、生活習慣やシャンプーの見直しをすることをおすすめします。
抜け毛の根元が黒い場合は?
成長し切って自然に抜けた髪の根元は、白っぽくなっているのが普通です。
抜け毛の根元が黒い場合は、何らかの異常が起きている可能性があります。
その理由として考えられるのが、頭皮の血行不良。
髪の毛は、血液によって運ばれた栄養と酸素を使ってつくられているため、頭皮が血行不良になると栄養不足や酸素不足から、髪の生育に支障が出てくるのです。
その結果、髪がしっかり成長できないまま抜けてしまうようになり、根元の黒い抜け毛が増えます。
ストレスや運動不足は頭皮の血行不良を引きおこす原因となるので、注意してくださいね。
抜け毛の根元がどうなっていれば正常なの?
正常な抜け毛とは、3~6年のヘアサイクルを経て自然に抜けた髪のこと。
成長期の間に太く長い髪へと成長し、新しい髪の毛に押し出されるようにして自然に抜けるのです。
このように自然に抜けた髪の毛の根元には、次のような特徴があります。
毛根がふくらんで丸みを帯びている
毛根がしっかり発達しているため、抜け毛の根元がマッチ棒のように丸くなっています。
根元が白っぽい
成長し切って自然に抜けた髪の毛は、根元が白いのが正常です。
髪が太くコシがある
成長期に太くて長い丈夫な髪に成長しており、ハリやコシがあります。
今すぐできる抜け毛対策をご紹介!
抜け毛が増えたときは、異常が起きているサインの場合もあるので、根元を確認してみる必要があります。
抜け毛の根元に異常が見つかったときは、薄毛に進行してしまわないように、早めに抜け毛対策を始めましょう。
これからご紹介する抜け毛対策は、抜け毛や薄毛の予防対策にもなるので、ぜひ実践してみてくださいね。
1.健康な髪のためにしっかり栄養を摂る
偏った食生活や無理なダイエットは栄養不足をまねき、健康な髪をつくることができなくなります。
髪の原料となる「タンパク質」、「亜鉛」、「ビタミンB6」を中心に、その他の栄養もバランスよく摂取することが大切です。
亜鉛の吸収を妨げるインスタント食品や加工食品は、できるだけ避けましょう。
2.良質な睡眠をとる
髪の毛は、寝ている間につくられます。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、頭皮のダメージを修復する働きがあります。
健康な髪と頭皮のためには、しっかり睡眠時間を確保して良質な睡眠をとることが大切。
眠り始めてから最初の3時間に成長ホルモンの分泌が盛んになるので、続けて熟睡できるように睡眠環境を整えましょう。
3.有酸素運動を取り入れる
ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動には、血行促進効果があり、頭皮環境を改善してくれます。
また、適度な運動はストレス解消効果もあるので、抜け毛予防に効果的ですよ。
4.禁煙する
喫煙は血行不良や活性酸素による頭皮の老化、ビタミンC・E不足をまねき、髪にとっても百害あって一利なしです。
抜け毛や薄毛を予防・改善するためには、禁煙して原因をつくらないようにするのが一番です。
5.シャンプーを変える
石油系界面活性剤を使用した合成シャンプーは、頭皮の乾燥やバリア機能の低下を引きおこします。
抜け毛の予防には、髪や地肌に優しく洗い上げる「アミノ酸シャンプー」がおすすめです。
6.頭皮マッサージを習慣に!
シャンプー前に頭皮マッサージを行うと、頭皮の血行が促進されます。
ストレスが溜まりやすい、運動不足、肩こり・首こりがあるという人は、血行不良になりやすいので頭皮マッサージが効果的です。
指の腹を使って円を描くように動かす、5本の指で頭皮を持ち上げ、5秒キープしたあと手を離すという動作を繰り返します。
まとめ
抜け毛が気になるときは、根元の状態を確認してみましょう。
毛根がふっくら丸く、根元が白っぽくなっているのが正常な抜け毛です。
毛根がない、根元が黒い抜け毛は、AGAなどの脱毛症や血行不良、栄養不足など、何らかの異常が起きていると考えられます。
異常な根元の抜け毛が見つかったときは、薄毛にならないように早めに対策を始めることが大切。
生活習慣やシャンプーの見直し、頭皮マッサージなどのケアを行って抜け毛を予防し、健康な髪を保ちましょう。